2025年6月29日(日)、神奈川県中郡大磯町にある大磯ロングビーチ(屋外プール・レジャー施設)で「NOWS大磯ロングビーチOWS大会2025」が開催されました。
大磯ロングビーチOWSは、波もクラゲもいない“流れるプール”で行われるOWS大会。
足がつく浅さ、水質の良さ、そして家族がすぐそばで応援できる環境から、初心者や子どもにぴったりの大会として知られています。
…が、それだけではありません。
この大会、なんと最長10kmの本格レースも開催されているのです。
「安全に始めたい人」も、「本気で泳ぎ込みたい人」も。
レベルを問わず、自分の挑戦に合わせて選べる――それが、大磯ロングビーチOWSの最大の魅力です。


🏖会場紹介|大磯ロングビーチの環境と設備
大磯ロングビーチは、神奈川県大磯町にある「大磯プリンスホテル」併設のリゾート施設です。西武グループが所有・運営しており、流れるプールや波のプール、スライダーなどを備えた本格的な屋外プールエリアとして知られています。
OWS大会では、その中でも1周500mの流れるプールを使用。流れは止められ、海と同じく“壁を使わない”連続泳が体験できます。直線区間やカーブを繰り返すことで、フォームの安定性やライン取りの力も問われる設計です。
また、選手や付き添いの待機場所には常設テントが多数配置されており、日差しや雨を気にせず快適に過ごすことができます。これらはあらかじめ設営されているため、個人でタープを持ち込む必要もなく、準備の手間も軽減されます。
さらに、プールサイドには大会中常時ライフセーバー(監視員)が配置され、安全面のサポート体制も充実。視界が開けた環境で全体を見渡せるため、海とは異なる“可視性の高さ”も安心材料のひとつです。
施設全体が整っているため、選手はレースに集中でき、家族や仲間は安心して応援やサポートができます。

🚗アクセスと利便性|午後レースだから日帰り参加もOK
大磯ロングビーチOWSのもうひとつの魅力は、「午後スタートのレース設定」です。
これにより、遠方からの参加でも早朝出発で間に合うスケジュールが組めるため、宿泊なし・日帰り参加が十分に可能です。
例えば、関東圏はもちろん、中部・関西方面からも新幹線や高速道路を活用すれば、当日朝の移動でレースに間に合います。体力的にも心理的にも余裕をもって大会に臨める点は、他のOWS大会にはないメリットです。
また、会場には広い駐車場が完備されており、マイカーでのアクセスにも対応。特に荷物が多くなるファミリー層や複数名での参加にはありがたいポイントです。
公共交通機関を利用する場合も、JR大磯駅からバスまたはタクシーで10分前後とアクセスは良好。都心からも1〜1.5時間圏内に位置し、「行きやすさ」「帰りやすさ」もこの大会の強みのひとつと言えます。
🏊♂️種目とレース展開|初心者からガチ勢まで対応
大磯ロングビーチOWSは、500mから10kmまで全5種目が用意されており、参加者のレベルや目的に応じて距離を選べるのが大きな特徴です。
- 500m/1km:OWS初挑戦の方やジュニア選手に人気。
距離は短いながらも、海とは違う「壁のない連続泳」の感覚をしっかり味わえます。 - 3km/5km:体力と集中力を必要とする中距離。
海のOWSに出場予定の選手にとっては、良い事前シミュレーションにもなります。 - 10km:オリンピック種目でもある長距離。
フォームやペース配分、メンタルの持久力を問われるタフなレースです。
エイドの取り方についても今後のレースのために試せる機会とすることが出来ます。
コースは1周500mの周回形式。
直線区間は200mほどで、カーブではライン取りや周囲との位置関係に気を使う必要があります。
周回ごとに自分の位置やペースを把握しやすいため、戦略的な泳ぎがしやすいのもポイントです。
海と違い、波や潮流がない分、「泳ぎそのものの質」が問われる大会とも言えます。水中姿勢・ストローク効率・呼吸の安定感など、ごまかしの効かないOWS本来の力が試される環境です。

📐 コース攻略|ライン取りと周回レースの戦い方
まず、イン側をまっすぐ泳ぐのが最短距離で有利と考える人が多いですが、実際にはそうとは限りません。
インコース付近には泳力の低い選手が集まりやすく、進路が詰まりやすい。前方確認や回避のためにヘッドアップや蛇行が増えると、結果的に体力のロスになります。
逆に、正解は「大外」、つまりコース最も外側の壁際を泳ぐこと。
距離は若干伸びますが、他の泳者とかち合うことがほとんどなく、ヘッドアップでコースを常に確認する必要もなし。フォームも呼吸も安定したまま、リズムを崩さずに泳ぎ続けられます。
さらに、ヘアピンカーブに差し掛かる前にインコース側へ徐々に寄り、コーナーを最短で回ってから再び大外へ戻るのが理想的なライン取り。
このライン取りを徹底することで、体力の無駄な消耗を抑えつつ、周回を安定して重ねることができます。
OWS=「海の読み」ではなく、この大会は「コースの読み」と「ラインの最適化」が勝負の分かれ目です。

🛟安全対策と運営の工夫
大磯ロングビーチOWSは、プールならではの高い安全性と丁寧な運営が特徴の大会です。
波や潮流の影響を受けない流れるプールで行われるため、自然環境によるリスクが極めて少なく、泳ぎに集中できる点は大きなメリットです。
さらに、プールサイドには監視員(ライフセーバー)が常時配置されており、選手の状態を視覚的にカバー。実際に足がつって立ち上がった選手にもすぐに声がかかるなど、監視体制は非常に行き届いていました。初心者やジュニア選手にとって、これは大きな安心材料になります。
一方で、周回とタイムの管理には足首装着のトランスポンダーチップが使用されていました。このタイプはキック動作によって徐々に緩んでくることがあり、泳ぎに集中しにくさを感じました。
個人的には、手首装着タイプへの変更を希望します。フィット性が高く、ズレの不安を感じずに泳げる方が、より競技に集中しやすくなるでしょう。
「安全で泳ぎやすい環境を提供しよう」という大会側の配慮が全体に行き届いており、安心して自分の力を試せる舞台だった」と言えます。

✍️ 総評|すべてのOWSスイマーにとって意味のある大会
大磯ロングビーチOWSは、これからOWSを始めたい人にとって最適な大会です。
波や潮流といった自然の不安要素がなく、1周500mの流れるプールを使った長距離コースという点がこの大会の大きな特徴。足がつく安心感、透明度の高い水質、そしてライフセーバーによる安全管理体制まで、子どもや初心者が最初の一歩を踏み出すには理想的な環境が整っています。
一方で、距離を伸ばしていきたい中級者・上級者にとっても価値のある大会です。特に10kmに挑戦する選手にとっては、方向確認の手間が少なく、エイドも定期的に取れるため、完泳の成功率が高まるという実戦的な利点があります。
また、海のOWS大会では撮れない“泳いでいる自分のアップ写真”を大会運営側が撮影・公開してくれる点も大きな魅力。フォームチェックにも、思い出としても貴重な記録になります。
さらに、家族やOWS仲間の応援をすぐそばで受けられる環境も、この大会ならでは。プールサイドからの声援は、孤独になりがちなOWSレースで大きな励みになります。
そして何より、大会運営スタッフの対応がとても温かく、「すべての参加者が安全に完泳すること」を最優先に考えたサポート体制が大会全体に浸透していました。競技性を追いすぎることなく、誰もが安心して挑戦できる空気づくりが徹底されており、OWSの入口としても、次なるステップとしても、強くおすすめできる大会です。
