OWSで結果を出すために、どんなトレーニングをしていますか?
・強度を上げる。
・きつい練習をこなす。
・距離を泳ぐ。
多くの人が、これで強くなれると考えています。
私も同じように考えていました。
しかし、
きつい練習をしているのに、レースでは後半で崩れる。
原因は、強度ではなく、トレーニングの方向のズレでした。
OWSで必要なのは速さではなく、
「崩れずに泳ぎ続ける力=巡航力」です。
そしてこの巡航力は、
きつい練習を重ねても、後半で崩れる泳ぎのままでは作れません。
この記事では、巡航力の正体とその作り方を整理します。
巡航力とはなにか|OWSは“崩れない勝負”
巡航力とは、同じペースを落とさずに泳ぎ続ける能力です。
ここで誤解されやすいのが、
「結局スピードがないと戦えないのではないか」という点です。
確かにスピードは必要です。
しかしOWSでは、一時的に速く泳げるかどうかよりも、
どれだけそのスピードを維持できるかが結果を分けます。
一時的に速く泳げるかではなく、どれだけそのスピードを維持できるか。
つまり巡航力とは、
「維持できるスピード」を引き上げていく能力です。
OWSでは、波や流れ、接触などの影響で、泳ぎは必ず崩れます。
その中でペースを維持できるかどうかが、最後まで戦えるかを決めます。
一時的に速く泳げても、後半で落ちてしまえば意味がない。
逆に、最後まで崩れずに泳ぎ続けた選手が前に出る。
実際のレースは、そういう展開になります。
特に一般選手レベルでは、駆け引きや戦術で勝敗が決まることはほとんどありません。
最後は、
どちらが先に崩れるか。
そのシンプルな勝負になります。
だからこそ必要なのが、
「維持できるスピード」を最後まで保ち続ける力
=巡航力です。
一般選手に必要な泳力は「巡航力だけ」

一般選手に必要な泳力は、シンプルです。
巡航力だけです。
OWSは長時間の競技です。
途中でペースが落ちる。
フォームが崩れる。
その時点で順位は下がります。
どれだけ技術があっても、
最後まで泳ぎ続けられなければ意味がない。
差がつくのは、
最後まで崩れずに泳ぎ続けられるかどうか。
巡航力がある選手は残り、ない選手は落ちていく。
それだけです。
だからやるべきことは一つ。
崩れない状態で泳ぎ続ける力を積み上げること。
これが巡航力です。
巡航力を作るうえでの最大の誤解
巡航力を高めるために、
きつい練習を多くこなせば、持久力がついて速くなる。
そう考えている人は多いと思います。
確かに、強度の高い練習を続ければ能力は上がります。
タイムも一時的には良くなるかもしれません。
ただし、
レースでの結果は、思ったほど伸びない。
この状態に陥りやすい。
理由はシンプルです。
無理して泳ぐことに身体が慣れてしまうからです。
きつい状態で泳ぎ続けること自体はできるようになる。
しかしそれは、
崩れた状態を維持する能力であって、
崩れないで泳ぎ続ける能力ではありません。
OWSでは、レースのほとんどを
「余裕のある状態」で泳ぎ続ける必要があります。
そこで無理をした瞬間に、バランスが崩れる。
一度崩れると、
ペースが落ちる。
フォームが乱れる。
呼吸も苦しくなる。
そこから一気にガタガタになる。
これが実際のレースで起きていることです。
きつい練習を積んでいるのに後半で失速するのは、
能力が足りないのではなく、
トレーニングの方向がズレている可能性が高い。
巡航力を高めるために必要なのは、
耐えることではなく、
崩れない状態を作り、それを維持すること。

巡航力を作るトレーニングの本質
100mを1分20秒で5km泳ぎ続ける。
これが私の今の目標です。
現状は、1分25秒ペースで3000mまでは泳げる。
ただ、そこから崩れ始める。
この状況で多くの人が考えるのは、
「もっと速いペースで耐える練習をするべきではないか」
という方向です。
実際、私もそう考えていました。
しかし、強化すべきことはそこではありません。
無理に強度を上げることではなく、
巡航できるペースに強度を戻して積み上げること。
これが本質です。
この強度でトレーニングを続けていくと、身体は数ヶ月単位で変わってきます。
有酸素でエネルギーを生み出す能力が高まり、同じペースでも余裕が出てくる。
結果として、
少し速いペースに上げても、乳酸が溜まりにくくなる。
つまり、
“楽に泳げるスピードの範囲”が広がっていきます。
これが巡航力の向上です。
一方で、高強度のトレーニングはどうか。
こちらは、
乳酸が溜まった状態でも動き続ける能力を高めます。
いわゆる耐乳酸の強化です。
これはこれで必要な能力ですが、
その状態のまま、何キロも泳ぎ続けることはできません。
だから、
長く泳ぐための能力と、耐える能力は別物です。
ここを混同すると、
きつい練習はこなせるのに、レースで崩れる。
という状態になります。
だからこそ必要なのは、
我慢して強度を上げることではない。
崩れない強度で、崩れない泳ぎを繰り返し、維持できるスピードを少しずつ引き上げていくこと。
これが、巡航力を作るトレーニングの本質です。

まとめ|巡航力は地味な積み上げでしか作れない
巡航力は、
崩れないペースを、崩れない泳ぎで積み上げることでしか作れません。
速さも、きつさもいらない。
自分のペースを守り、淡々と繰り返す。
それだけです。
この積み重ねが、
OWSで最後まで崩れない泳ぎにつながります。
そしてもう一つ重要なのは、
その「崩れないペース」をどう設定するかです。
強すぎても崩れる。
弱すぎても伸びない。
この強度設計が、巡航力を大きく左右します。
👉 次の記事では、
LT1を軸にした強度設計と巡航力の作り方を解説します。

